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長 谷 川 正 允 の ブ ロ グ !

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ネオレアリスモ

戦後のイタリア映画として最初に思い浮かぶのは、なんといってもネオレアリスモの作品です。

ローマに留学してまだまもない1983年はじめだったと思いますが、終着駅近くの自宅アパートから駅を横断する地下道を歩いて抜けた先にあるローマ大学本部キャンパスで、10日間ほど昼夜連続の映画上映、映画人講演会が開催されました。V・デ・シーカ「ミラノの奇蹟」「靴磨き」「自転車泥棒」「屋根」「ウンベルトD」、L・ヴィスコンティ「ベリッシマ」、P・ジェルミ「鉄道員」、R・ロッセリーニ「無防備都市」、G・デ・サンティス「ローマ、11時」といった数々のネオレアリスモ映画の名作を鑑賞できました。

中でも「自転車泥棒」は、主人公が盗まれた自転車を探して歩くロケ地が僕のアパート近くのヴィットリオ広場で、第2次大戦直後の映画に描かれた様子と83年留学当時とほとんど変わっていないこともあって、とても盛り上がって鑑賞できました。

その映画週間のイベントの中で、ある晩、アンナ・マニャーニ主演、チェーザレ・ザバッティーニ脚本のネオレアリスモ映画の上映とともに、アンナの一人息子ルカさんと、脚本家C・ザバッティーニさん他の座談会があり、僕も出かけていきました。会場は超満員、みなさんのお話の内容は僕のイタリア語力ではほとんどわかりませんでしたが、それでもザバッティーニさんらの姿を間近で拝見しおおいに盛り上がりました。

後日、その日感動したことやネオレアリスモ映画がすばらしいことなど、たぶんそうとうひどいイタリア語だったろうと思いますが、一生懸命書いた手紙をザバッティーニさんにお出ししました。ザバッティーニさんはご親切に返事をくださいました。
by paveau | 2012-10-06 02:52 | 映画
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