人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

長 谷 川 正 允 の ブ ロ グ !

paveau.exblog.jp

宮崎 駿 (その3) 出発点 1979~1996

今まで「カリオストロの城」以降の宮崎アニメは、(たぶんだいたい?)全部観ました。TVの記者会見やインタビュー番組・特番などもわりと観ていました。

コミック版「風の谷のナウシカ」、雑誌モデルグラフィックスの妄想漫画?などは半分くらいでしょうか、まあ愛読しました。



といったことで、漠然と僕なりに宮崎監督のイメージを持っていました。しかし、文字モノはほとんど読んだことがありませんでした。

この夏、最新作「風立ちぬ」を観て今一つぴんとこなかったり、その後、長編アニメ引退宣言があったりしたこともあって、何か一冊、文字モノを読んでみようと思ってみつけた、「出発点 1979-1996」を読みました。
宮崎 駿 (その3) 出発点 1979~1996_d0266559_1917851.jpg


今まで知らなかった「カリオストロ」以前の若い頃の話もたくさんありました。全部で580ページ、しかも一部小さな字で2段組! 休み休みとはいえ読み終えるのにずいぶん時間がかかりましたが、ようやく読破! 

おもしろい本でした。

アニメ「白蛇伝」「雪の女王」を観た感動。シコルスキー、メルモーズ、サンテグジュペリ、ダールといった飛行機ゆかりの人々。藤森栄一、中尾佐助など考古学・人類学の著作。

ナウシカ、シータ、キキ、さつきとメイ、千尋といった宮崎監督が生み出したヒロイン達。堀田善衛、司馬遼太郎への共感とリスペクト。

などなど。記憶に残りました。




(実写)映画の話題もあちこちあって、V・デ・シーカ監督「靴磨き」「自転車泥棒」も話に出てきました。

そういえば、「魔女の宅急便」を観たとき、「ミラノの奇蹟」を連想していたのですが、これは僕の思い込みでした。宮崎監督は若い頃、TVアニメ「魔法使いサリー」の仕事をして、そこから箒に乗って飛ぶ少女の話を発想したようです。

余談ですが、「箒に乗った魔女」というのは、イタリアだと正月明けにベファーナ"befana"というサンタクロースみたいな魔女がいて、よい子にプレゼントを運んできてくれるんですが、それと宅急便をひっかけてるのかな、なんて勝手に想像していました。




また、この本のおかげで堀田善衛「方丈記私記」を知り、途中道草?してこちらも読みました。鴨長明をヒビッドに描き出していて、おもしろかったです。京を出て、組立式の草庵を運び、山へ入って庵をむすぶ・・・今なお色褪せないものを感じました。




話が脱線しましたが、多方面に興味深い話題満載でした。
巻末の高畑監督の「エロスの火花(宮崎駿 人物評?)」がとてもよかったです。

こう思う、だってこうでしょ、とゴリっとした語り口で語り、だけどこうじゃない!とか言って、ガハハッと笑う。

引退宣言後、最近は、時代劇?漫画をお描きになっているらしいです。
by paveau | 2013-12-14 12:54
<< Rush Carbon 200... ERbutS 久しぶりのライブ >>