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長 谷 川 正 允 の ブ ロ グ !

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カテゴリ:建築作品など( 11 )

飯井さんの家  沖縄県伊平屋村野甫島 1980

1979~80年頃、僕は早稲田大学建築学科吉阪研究室のM2後半から不動産会社設計部に就職して働きはじめた頃、そしてそれはちょうど象設計集団が名護市庁舎を着工した頃ですが、幼馴染みの父上、飯井敏雄さんの依頼で、沖縄県伊平屋村野甫島に、僕自身初めての実施設計となるコンクリートの住宅を設計しました。
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模型写真

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工事写真



設計どおりつくってくれていれば、まさに僕のデビュー作になったのですが、残念なことに現場へ行けないまま竣工。その直後の正月休みにご招待いただいて、はじめて現地へ行くと、外観を特徴づけるはずだった2階回廊の花ブロックのブリーズソレイユ、日よけのための2重屋根スラブはつくられることなく、代わりに琉球瓦にシーサーを載せた、かわいらしい玄関がついていました。

一方、室内は僕の設計案とさほど異ならず、2階回廊に囲まれたリビング吹抜けは意図どおり、とても気持ちのよい空間でしたが、とにかく外観の違いには呆然としました。しかし、飯井さんも島の人たちもこの住宅をとても気に入ってくれていて、島を訪れた僕を大歓迎してくださって、とても複雑な気分でした。





最近になって、飯井さんが今春亡くなられたこと、飯井さんのことやこの住宅のことがいくつかのブログ等でとりあげていただいていることを知りました。

飯井さんはこの家を「グンサナー屋」と名づけていたようです。「グンサナー」というのはこの家が建つ丘の名だと聞いたことがあります。



あれから35年、その後一度も訪れていませんが、また行きたいなと思っています。



飯井さんのご冥福を心からお祈りします。



主な関連ブログ
飯井敏雄さん(旧海軍少尉)について
 沖縄戦と瑞雲水爆隊(2)  1945年5月10日の項
 日米元兵士、56年前の戦地で対面/伊平屋

この住宅や慰霊碑について
 第138回沖縄訪問(21)
 野甫島の慰霊碑の風景
by paveau | 2014-07-26 13:06 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

Y邸

手芸研究家、山梨幹子さんのお住まいが、今発売中の「婦人之友」2014年3月号に紹介されています。

15年ほど前にご依頼いただいた表参道のヤマナシ・ヘムスロイド(店舗・教室併用住宅)にお住まいでしたが、何年か前、ファッション関係の会社・ショップが入居することになり、新しいすまいをと、ご相談いただきました。

最初はあちこち敷地探しからご一緒して、この場所に出会いました。木々が豊かに茂っていて、建物の形や配置を工夫してできるだけ伐採せず、首尾よくほとんどの樹木をそのまま活かすことができました。長いあいだ(15年ほど?)使われていなかった古井戸があったことも敷地のチャーム・ポイントで、調べて使えることがわかり、園芸・夏季屋根散水用に再生しました。

建物は、「表参道」と双子のような家で暮らしたいとのご希望で、楽しくご相談しながらできあがりました。「表参道」で使っていたスウェーデン製の室内ドアやシステム・キッチン、果物のレリーフ・タイルなど、ちょっと手間をかけて移設し、新しい家に再利用しています。

新居に引越なさって3年ほど経ちました。僕もときどきお邪魔しますが、庭の園芸や、室内のカーテン、カーペットなど、すこしずつお住まいが豊かになっていくのを拝見できて、そして何より建物も気に入っていただいているようで、たいへんうれしいです。
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Y邸(東京都大田区,2011)庭側外観。スウェーデンの木製建具屋さんに製作オーダー・直輸入したパイン材に白色ペイントの3連ガーデン・ドアと窓。

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オペラの舞台装置のように!とデザインしたメイプル無垢板、白色染色塗装の階段。

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階段の造付け家具(メイプル無垢材を軽く白色染色塗装)と白く静電粉体塗装した特製家具コンセント。手前に写っている、家をデザインしたカラフルな布仕上の円筒形収納箱、山梨さんの作品か?コレクションか?わかりませんが、コンセントを粉体塗装してうまくいったな!と思いました。

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山梨さんの新しいお住まいは、「ミセス」2013年11月号にも紹介されています。こちらもあわせてご覧いただければ幸いです。
by paveau | 2014-03-08 01:25 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

静電粉体塗装

建築電気設備関連で、コンセントや電灯スイッチなどの設備部品を組込むコンセント・プレートという仕上部品があります。

最近の電機メーカーは、プラスチック製スイッチ可動部を「豪華なデザイン」にしたような製品を主力商品にしようとしているようで、分譲マンションやハウスメーカー製の住宅などでよく見かけますが、僕は妙にデザインしていない、昔からある、シルバー色合金(いわゆる新金属)製の、シンプルな既製品を採用します。レストランや住宅で予算がある場合、電機メーカー以外の真鍮製プレートを採用することもあります。オフィスの設計でプレートを厚めのステンレス板で製作することもあります。

シンプルなプラスチック製既製品は茶色のものは問題外ですが、おおむね白っぽい、可もなく不可もないアイボリー色のものは、日常の生活感覚ではさほど問題ないのですが、室内壁・天井を左官材や塗装で純白に仕上るときなど、アイボリー色のプラスチックの質感は情けないほど安っぽく、ミスマッチになります。

以前から見栄えのする純白のコンセント・プレートがほしいなと思っていて、ときどき調べたりしていましたが、世の中需要がないのか、そのような製品は見当たりません。では、自分で塗装するとどうなるか、たとえば、白のスプレイ式耐熱塗料は、普通の白スプレイ塗料よりは塗膜が強いですが、それでもコンセント金属端子で引っかくと比較的簡単にキズがついてしまいます。そこでひとつ行き着いたのが、金属製椅子などに採用されている静電粉体塗装でした。

昨年手がけた個人住宅(Y邸)で、白く染色塗装したメイプル無垢材の造付家具と巾木に、純白に粉体塗装した家具用コンセント・プレートをつけました。
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大量であれば家具関連工場などに発注できるのかもしれませんが、プレート10枚程度ですし、かねてから一度やってみようと思っていたこともあり、新金属製既製品プレートを自前で純白に粉体塗装してみました。はじめてだったので試行錯誤もありましたが、厚めに噴霧して焼き付けると、ホーローや陶器に似た印象の、温かみがある質感の塗装仕上になりました。

ネットでDIYサイトを調べ、米国のDIY通販サイトで粉体塗料、静電粉体スプレイ器具をみつけ、手に入れました。エア・サプライは近所のDIY店で小型コンプレッサ(ナカトミCP-100 )を入手、焼付けはオーブントースターで約200℃で15~20分行いました。
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静電粉体スプレイガンで、帯電させたプレートに粉体塗料を噴霧しながら吸着させます。
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オーブントースターで粉体塗料を焼付けます。

静電粉体塗装は、塗膜が強靭であるほか、有機溶剤を使わないため作業者の健康や環境にも好ましいとも言われています。しかし一方で、可燃性の有機溶剤は使用しませんが、微細な粉体塗料自体が特に噴霧中は引火性らしく、火気厳禁(特に作業中)と記載してありました。

今回僕が試した、米国のDIY通販サイトEastwoodオリジナルの静電粉体塗料スプレーガンは、調べた範囲では、国内で同様のツールがみあたらず、価格が手頃だったので購入してみました。ユーザーレビューを読むと評価がマチマチなので、ご興味のあるかたは参考になさるとよいと思います。コンセントプレートのような、あまり立体的でない、小さな金物を粉体塗装するには問題なく利用できましたが、非常に大雑把なツールでした。

粉体塗料は、僕が使うのは純白だけですが、ラメ入りのものなどふくめ、色数が豊富にありました。
by paveau | 2012-12-06 23:34 | 建築作品など | Trackback | Comments(6)

学生時代 吉阪先生 「ある住居」

建築家、吉阪隆正教授にご指導いただいた大学院修士課程を修了する頃、1979年早春のある日、僕は神田の古書店で先生の自邸モノグラフ「ある住居 一つの試み」(相模書房、1960)を見つけ、手に入れました。
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さっそく先生に報告し署名をお願いしたところ、あわせてメッセージもいただきました。
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修士時代、先生はちょうど、ル・コルビュジエ全作品集(エー・ディー・エー・エディタ・トーキョー、1977~79)を翻訳なさっていました。それは、7巻から1巻へ遡るように数ヵ月ごとに刊行され、最後に8巻で完結したのですが、僕たちは間近で1巻ずつ読みながら揃えていきました。修士1年の課題で、モデュロールをテーマになさったこともあり、今振り返ってみると、僕が在籍した期間は、先生ご自身もル・コルビュジエに、総括するかのように、向き合われていた時期だったように思います。

解体直前の吉阪隆正自邸 南東外観 1982年3月
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解体直前の吉阪隆正自邸 北東外観 1982年3月
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解体直前の吉阪隆正自邸 内観 1982年3月
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by paveau | 2012-10-08 08:36 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

S 邸

S 邸 2000年
東京都品川区
木造2階建て
掲載誌:マイホームプラン 2002年08月号

3人家族(夫婦+子)の戸建住宅。シンプルなデザインをめざしました。

正面外観
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東外観
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リビング内観
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2階廊下内観
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雪の日の遠景
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by paveau | 2012-09-29 11:56 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

ヤマナシ・ヘムスロイド 表参道

ヤマナシ・ヘムスロイド 表参道 1997
(2005年1階アトリエ・ショップ内装改修)
東京都渋谷区神宮前
混構造2階建て
(1階鉄筋コンクリート造、2階木造)
掲載誌:ミセス1998年02月号pp.51-61

表参道よりわずかに入った敷地に建つアトリエ・店舗併用住宅。スウェーデン、デンマーク、英国など西欧手芸研究家のアトリエ・ショップ・住居。

正面外観(1997年竣工時)
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正面エントランス(2010年)
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2階リビング(2011年に開催された40周年展 の様子)
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余談ですが、2009年NHKTVドラマ「ゴースト・フレンズ」では、主人公の家という設定で、ロケ地になったので、ご覧になったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
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by paveau | 2012-09-28 11:05 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

江見康邸

江見康邸 1995
千葉県鴨川市
木造2階建て

外房の広大な岩場に面して建つ、ある作詞家の書斎兼ゲストハウス。
掲載誌:新建築住宅特集1995年02月号pp.85-90
    :モダンリビング1996年01月号
     「こんなお風呂がほしかった」pp.140-141
    :アルゴ2000年04月号「書斎をつくる」p.119


遠景
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外観
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ラウンジ1階内観
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ラウンジ2階内観
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2階書斎
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浴室
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by paveau | 2012-09-28 06:21 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

ジローお茶の水本館

ジローお茶の水本館 1991
東京都千代田区神田駿河台
鉄筋コンクリート造地上5階地下2階
(地上3階~地下2階はインテリアデザイナー石田和代さんと協同)
掲載誌:商店建築1991年12月号p.229
     (5階しゃぶしゃぶ料理「石土炉」)
     別冊商店建築74「レストラン&カフェのデザイン」1995年,pp.132-4

シャンソン喫茶、ピザハウス、イタリアン・レストランなど幅広く展開したジロー創業の地、神田駿河台のお茶の水本館の建替え。掲載写真は、施工者による竣工写真です。

正面外観
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5階:しゃぶしゃぶ料理
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4階:事務室・厨房
3階:ピザハウス
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2階:カフェテリア
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1階:エントランス・洋菓子ショップ
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地下1~2階:サロン・レストラン
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by paveau | 2012-09-28 05:54 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

パラッツォ・デレスポジツィオーニ改修 1982-90 ローマ

ローマ市街中心部ナツィオナーレ街にある、市最大の芸術展示施設、P・ピアチェンティーニ設計の歴史建築(1883年竣工)を、建築家コスタンティーノ・ダルディが改修した作品です。僕がストゥーディオ・ダルディに在籍中(1982-84)に設計実務に携わり、実施設計は一通り完了していましたが、なかなか着工せず、帰国6年後にようやく竣工し実現した建築作品の一つです。

ナツィオナーレ街正面
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展示ホール・トップライト・内観透視図作図中のスナップ
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展示ホール・トップライト・内観
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139席の映画館、90名収容の多目的シアター、カフェテリア、図書室を併設しています。
by paveau | 2012-09-26 11:18 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)

イタリア留学30周年! その2   Studio Costantino Dardi

1982年から84年の2年間、僕はイタリア政府給費留学生として、ローマ大学建築学部に在籍し、建築家コスタンティーノ・ダルディ教授に建築構成学(composizione architettonica)を、カルロ・セヴェラーティ教授に近代建築史(storia dell'architettura moderna)を師事しました。

留学前に既に、建築設計監理実務に3年半従事し、1級建築士資格も取得していたので、大学へ通う傍ら、平日午後はダルディ教授のストゥーディオで設計実務に携わりました。設計競技参加や計画案で終わったものも多かったですが、ヴェネチア・ビエンナーレ映画展仮設施設、ローマのパラッツォ・デレスポジツィオーニ改修など、実現したものもあります。


   建築家 コスタンティーノ・ダルディ(1936-1991)のストゥーディオでの協同作品
  (ローマ 1982-1984 コスタンティーノ・ダルディ作品集 掲載順)

  ・アブダビ都市再開発計画  1982
    :コスタンティーノ・ダルディ 長谷川正允
  ・ヴェネチア・ビエンナーレ 運河上の仮設展示施設  1982
    :コスタンティーノ・ダルディ ルイジ・ブレダ 長谷川正允
     アンドレアス・セルダー 植川隆
  ・ローマ・パラッツォ・デレスポジツィオーニの改修(実施)1982
    :コスタンティーノ・ダルディ フランコ・バーリ 長谷川正允
     ウーゴ・ノヴェッリ
  ・アルバレッラ島旅行施設計画  1983
    :コスタンティーノ・ダルディ フランコ・バーリ 長谷川正允
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  ・パリ・バスチーユのオペラ座設計競技応募案  1983
    :コスタンティーノ・ダルディ パオロ・アンジェレッティ
     フランコ・バーリ ルカ・チャンカレッリ 長谷川正允 
     マリアーノ・ジェニー ヴィンチェンツォ・ペローニ
     ガイア・レミッディ  ダニエーラ・スカミナーチ
  ・ボローニャ中央駅設計競技応募案  1983
    :コスタンティーノ・ダルディ フランコ・バーリ  
     ジョルジョ・バルトレスキ マッシモ・コロッチ 
     マッシモ・ファッツィーノ カテリーナ・グリオ 
     長谷川正允 ウーゴ・ノヴェッリ
     ドメニコ・サンドリ ダニエーラ・スカミナーチ
  ・ポルトロノーヴァ社の「メタフィジック・ファニチャー」  1983
    :コスタンティーノ・ダルディ 長谷川正允
  ・ローマの新噴水計画  1983
    :コスタンティーノ・ダルディ フランコ・バーリ
     カテリーナ・グリオ 長谷川正允  ヴィンチェンツォ・ペローニ
     ダニエーラ・スカミナーチ アントニオ・ステファーニ
  ・ローマのポルタ・サン・パオロ地区再構成計画  1984
    :コスタンティーノ・ダルディ フランコ・バーリ 長谷川正允
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当時のストゥーディオ・ダルディの様子
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by paveau | 2012-09-04 14:20 | 建築作品など | Trackback | Comments(0)